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筆とまなざし#149「食材として。絵のモチーフとして。親しみ深い秋の味覚」

筆とまなざし#149「食材として。絵のモチーフとして。親しみ深い秋の味覚」

10月になっても30℃を超える日が続いているけれど、季節は確実に移ろい変わり、アケビが実を結んだかと思うと桜の葉が色づいては散り始めました。すっかり稲刈りを終えた田んぼの畦は少しずつ褐色に変わっています。この時期になると、毎年のように栗の絵を描いています。ぼくが住む地域は栗のお菓子で有名なところで、昔から栗が人々に親しまれてきました。故郷の秋と言えば、真っ先に思い浮かぶのが栗なのです。家へ続く急な坂道を登りきるかきらないかのところに急な曲がり角があり、その角っこに古い栗の木があります。通りかかると、まだ緑色をした大きな毬の中に、なんとも大きく立派な栗が顔を出していました。慌てて車を停めて足元を見るとたくさんの毬栗が落ちています。人間が採るより動物にとられるほうが早いものですが、毬栗の中には虫食いもない綺麗で丸々と太った栗が、まるで宝石のような輝きを放って収まっているのでした。毬のトゲ...

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