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筆とまなざし#144「クライミングから登山ルートへ。小槍から大槍への道」

筆とまなざし#144「クライミングから登山ルートへ。小槍から大槍への道」

小槍のてっぺんで一休みしたあと、懸垂下降をしてコルへ。見上げる曾孫槍は、小槍の上から見たよりも登りやすそうに見えました。とはいえ、堆積した岩を避けながら、あるいは慎重に押さえつけながらのクライミング。手で岩を叩き、足を乗せる前に何度か踏みつけながら、安定していそうな右寄りのフェイスを登って行きました。ロープが触れるだけで落石が起こるため、ロープの流れにも注意が必要。プロテクションを取ろうにも、浮いた岩にカムをセットしても墜落と同時に岩ごと吹っ飛ぶでしょう。登り自体は簡単なものの、少し緊張しながら40メートルほどロープを伸ばすと曾孫槍のピークにたどり着きました。下からではわからなかったのですが、そこは広いテラスになっていました。歩いて孫槍の基部へ。こちらはずいぶん岩がしっかりしていて、傾斜の強い出だし部分を越えるとホールドがたくさんある快適なスラブになりました。高さ1万尺での爽快な岩登...

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